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治療院雑話

withコロナ生活ことはじめ〜その③体の防御能力を上げる編その2〜

前回からだいぶ間が空いてしまい申し訳ございませんでした。

前回のブログ中にあった自然免疫と抗体免疫(獲得免疫ともいいます)について書こうと思っておりましたら!



なんと!!!



本間真二郎先生がまとめてくださっているので、引用させて頂きたいと思います。本間先生は生活に根ざした医療を推奨されている方で著作も多いので、ご興味ある方は是非本をお買い求めいただければと思います。

以下引用です。

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「自然免疫系について」
自然免疫系は免疫という体を守るシステムのはじめのステップです。正確には、病原体(ウイルスや細菌)が入ってくる前から常に働いています。決まった相手ではなく、異物なら何にでも反応するのと記憶を持たないのが特徴です。

自然免疫系の役割は大きく4つです。
 
①病原体(ウイルスや細菌)が細胞に感染する前にブロックする
②異物(病原体であってもなくても)を免疫細胞が「食べる」ことで取り除く
③食べたものの情報を獲得免疫系に送る
情報を送る目的は食べたものが「自分か異物か」の判定になります。自然免疫系はこの判定を待たずにとりあえず目の前の異物を食べているイメージになります。
④獲得免疫系が働く時も共同して異物を取り除く(基本的には②と同じ食べること)

ここでいう異物とは、ウイルスそのもの、ウイルスに感染された細胞、壊れた細胞や組織などあらゆるものになります。
自然免疫系は、免疫細胞(簡単には白血球という理解でいいです)が関係するかしないかでさらに2種類に分かれます。

①免疫細胞が関係しないもの 
皮膚、唾液、胃液、粘液、粘膜、繊毛運動、常在菌などになります。
皮膚は、傷がなければほとんどすべての病原体の体への侵入を完璧に防ぎます。ですからほとんどの感染は皮膚ではなく粘膜(気道、尿路、生殖器、目など)を介して起こります。
唾液や粘膜を覆う粘液はウイルスを洗い流したり、様々な抗菌・抗ウイルス物質を含むため細菌やウイルスを細胞にたどりつく前に不活化します。
気道細胞表面のブラシのような形をした繊毛の規則正しい運動はワイパーのようにウイルスを排除します。この働きにより、強力な酸である胃液(ほとんどのウイルスを不活化)を出す胃に異物を送り不活化します。
免疫細胞が関係しないこれらの作用も立派な自然免疫系の一つになります。簡単には「異物のブロック」と理解しましょう。

②免疫細胞による自然免疫
免疫細胞とは、好中球、単球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞などになります。簡単にはすべて白血球の仲間と考えればいいでしょう。
①は細胞ではありませんので、細胞が関係する②の系だけを自然免疫系と呼ぶ場合もあります。また、②は獲得免疫系の細胞性免疫ととても紛らわしく、まったく混同している記事をたくさん見かけますので注意が必要です。
これらの免疫細胞の役割は、異物を食べて取り除くことと異物を獲得免疫系に知らせることになります。簡単には「異物の掃除と運搬」と理解するのがいいでしょう。ほとんどの免疫細胞が異物を食べる役割をします。つまり異物を取り除くこととは異物を食べることになります。一部の細胞が獲得免疫系への情報を伝えます。
NK細胞は感染されウイルスに乗っ取られた細胞を直接排除できる特殊な細胞で、獲得免疫系が発動するまでの先発隊になります。自然免疫系全体の司令塔はマクロファージと考えられています。
最後に解説していない補足も加えて自然免疫系の特徴を箇条書きにまとめます。

・異物の侵入を防いだり、入って来た異物を排除している
・異物の排除とは簡単に免疫細胞(白血球)が異物を食べることである
・病原体が入る前から24時間常にパトロールしている
・病原体が侵入したときも、まずはすぐに(正体がわからなくても)反応する
・ほとんどすべての生物が持つ基本的な免疫になる
・効果はマイルドである
・記憶を持たない(一部、記憶がありますが混乱しますので省略)
・軽い感染症は自然免疫だけで回復し、獲得免疫系の出動を必要としない
・自然免疫系は獲得免疫系と常に連携している
・自分が食べたものの一部を情報として獲得免疫系に送っている
・獲得免疫系が働くときも、その活動を補助している

新型コロナウイルスでは、不顕性感染がとても多いのが特徴です(約半数から2/3)。これは、多くの場合に、ウイルスをもらっても感染する前に、あるいは感染しても症状が出る前に治っているからと思われます。
つまり、COVID-19では、自然免疫系がとても重要な働きをしており、自然免疫系が十分に働いている場合は、感染や発症しない、あるいは発症しても軽症で治る感染症と考えられます。
この場合は、獲得免疫系が働く前に治りますので、抗体など免疫の記憶ができないかできても弱い可能性が高いのですが、詳しくはわかっていません。

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いかがでしたでしょうか。
次回は「抗体免疫(獲得免疫)について、また(!!)引用させて頂きたいと思います。(^^)

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