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秋の養生について

ようやく残暑が和らぎ過ごしやすい季節になってきました。

東洋医学における秋の定義は二十四節気の立秋(8月頃)~立冬の前日(11月上旬)を言います。

中国最古の医学書『黄帝内経』によれば秋は万物が成熟し収穫される時期と書かれています。

秋になるとすべてのものの形(容)が定(平)まるという意味から容平(ようへい)といわれ

この時期は「心を安らかにして、くやまず精神を落ちつかせて秋の気が体をそこなうことのないようにし、やたら動きまわって肺を冷やさないようにする」とあります。

この養生法に逆らうと秋の冷えにあたり、肺を冷やして損傷しやすくなり、冬になって食物を消化しきれず下痢をしたりします。

 

秋は乾燥を避けましょう‼

この時期は大気中の湿気も少なく乾燥しがちで、その影響が肺を代表とする呼吸器に出てきます。まず、のど、鼻に。そして皮膚にも影響が及ぶことがあります。

東洋医学で、「肺」は気を操作すると言われます。

「肺」が気を身体にめぐらすことで、被毛を養い寒さやウィルスから身を守り風邪をひきにくくします。

 

早寝早起

長く寝ると秋との関係の深い肺気が虚すといわれます。

肺(呼吸器)が弱っている人にとって身体を休ませすぎることは気のめぐりをますます悪くします。

『黄帝内経』では養生法として「鶏と同じように秋は早寝早起きをするとよい」書かれています。

 

秋は夏の後始末と冬の準備を

過ごしやすいと言っても秋は夏の疲れが出る時です。

このような時は、身体を元気づけてから、つらい症状をとるようにしましょう。

胃に優しい食事をして、胃腸の立て直しをします。

 

秋口の食べ方

少なくとも夏野菜を生のまま食べたり、冷たいものを飲んだりするのはやめて、この時期とれるイモ類や、でんぷん質の仲間などちょっと陽性がまさった食べ物を増やしていきます。

料理法もサッと火を通すだけでなくじっくり煮込んだものを増やしてください。

里芋、サツマイモ、レンコン、ゴボウ、栗、そば

秋口から出だす食べ物には、でんぷん質や陽性のミネラル、繊維質がたくさん入っています。

 

食材ピックアップ‼

花梨(かりん)

 肺と関係するこの時期、咳や喘息にも気を付けましょう。

 実が熟れると香りが強くなり、古来中国では服のたもとに入れて、香水の代わりに使ったと言われています。

 古くから喘息や咳止めの生薬として利用されてきました。

 利尿作用があるので、むくみや疲労にもよいでしょう。

 花梨の旬は10月から12月頃です。

果実は渋柿以上に渋く、そのままでは生食できないため、はちみつ漬けや果実酒、ジャムにするとよいです。ブランデーにつけるのもおすすめです。

 花梨の健康効果                 

  1. 喉に優しい
  2. 抗酸化作用で若々しさを保つ
  3. 消化促進と整腸作用
  4. 風邪予防に強い味方

 

参考文献

からだの自然治癒力をひきだす食事の手当  大森一慧  サンマーク出版

小太郎漢方製薬株式会社 季節のトラブル・養生(秋)

まんが黄帝内経:中国古代の養生奇書  張 恵悌 医道の日本社